STORY

はじまりのこと

天地蒜は”耕作放棄地の利活用”を目的としてはじまりました。荒れた畑を開墾する所からはじめ、屋久島の特殊な自然環境や気候、歴史、文化なども調べた後、この土地に合っている野菜として在来種にんにくの栽培に着手しました。自然の流れに逆らわず、寄り添いながら栽培しています。

屋久島は「薬」の島

屋久島は江戸時代の頃、薩摩藩によって薬草園が設置され古くから人々の健康を支えてきました。にんにくも元々は「薬」。紀元前4500 年の古代エジプトの頃から薬や活力源として重宝され、ピラミッド建設にあたる労働者の治療や体力維持に使用されていました。天地蒜も食べた人を健康に出来るような島の新たな特産品となれば嬉しいです。

悠久の時を紡ぐ「水」

屋久島には世界的に見ても豊かな自然が残っています。その豊かな自然の源は「水」です。屋久島を中心に循環する水は、雲や雨となって降りそそぎ、森へ染み込み、川となって流れ、海へと戻り、また雲に形を変え循環します。時に厳しく時に土壌を潤す屋久島の水は、古代より連綿と命を育んで来ました。自然に寄り添い育てた天地蒜もその循環の中にあります。

循環型農業を目指しています

天地蒜には屋久島の家庭や飲食店から出る“生ゴミ”から生まれた肥料「大地」を使用しています。生ゴミに牛舎から出る牛糞、製材所から出るおが屑、屋久島の天然水、これらを加えながら6ヶ月間じっくり“発酵”させた肥料です。天地蒜の葉や根も原料に使用しており、また土に還る循環型の農業に取り組んでいます。

屋久島 在来種

天地蒜は屋久島で代々小規模に受け継がれてきた在来の種を島のおばあちゃんから分けてもらい、少しずつ増やした品種です。ルーツは奄美から渡って来たものではないかと言われています。自家消費のみで世に出回らなかった品種の美味しさを知ってもらえたらと思っています。

名前の由来

天地蒜という名前は日本最古の歴史書である「古事記」の冒頭から。天地( ametsuchi )とは”世界”という意味で、イザナギとイザナミの神話に繋がります。山岳信仰の残る屋久島では、集落ごとに信仰する岳があり、畑のある楠川集落が信仰する岳の頂上には、今も尚イザナギとイザナミを祭る祠が安置されています。

屋久島の文化

古代より連綿と続く自然環境と共に醸成された島の文化も、地形や環境の制約から特殊なものとなっています。

中心に山を抱く島の形状により沿岸部に集落を作ってきた歴史から、集落間の交流は主に海路で行われ、島内に限らず薩摩・琉球との交易が活発に行われて来ました。そのため26ある集落は、それぞれ独自の文化体系が育まれ、多様な伝統行事を持つに至っています。

しかし、共通して自然への畏敬の念を表した”岳参り”という山岳信仰の文化も持ち併せています。集落にはそれぞれ信仰する岳があり、海と山を繋ぐ五穀豊穣のお参りを500年の古来より行っています。

こういった背景を大切に、リスペクトの心を持って天地蒜は出来ています。